あんドーナツは甘いものの王様

その日、私はたまたま買い物をしたスーパーで、あんドーナツの安売りをしていたので1つ買ってしまった。家に帰って、そのあんドーナツを食べてみたのだけれど、 最近、甘いものを食べる機会が少なかったせいか、その時の私にとっては、すごく美味しく感じた。普段、私は、仕事をしている時などに ちょっと小腹がすいたらチロルチョコレートを食べたりしている。

鉄分不足を補うために鉄分配合のウエハースを食べている。それはココア味で甘い。 でも、スイーツとかお菓子とか、そういう類のものではない。また、コラーゲンや抗酸化作用のあるアントシアニン配合のウエハースも食べている。 これは抗酸化作用でおなじみのブルーベリー味がする。するんだけど、やっぱりお菓子の類ではない。どれもこれも、スイーツと呼ぶには 今ひとつのちょっとした食べ物で、健康食品の範疇を出てはいない。つまり、私は普段、あまり甘いものを食べてはいないのだ。

だから、この日たまたま食べたあんドーナツは、私にとってはすごーく美味しく感じた。それこそ、甘いものの王様みたいに思えてしまったのだ。 もちろん、これは大袈裟な言い方だとは思ってはいる。あんドーナツなんて、今ではどこでも売っている。コンビニエンスストアに行けば、 まず十中八九、置いてある。売り切れていなければ。

でも、改めて見てみると、あんドーナツって美味しいよね。私は、その日から、新たな気持ちであんドーナツを食べている。


和風スイーツ『あんドーナツ』

あんドーナツは、和風スイーツだと言えば、否定する人はいないと思う。その決め手は、あんドーナツの中に入っている餡にあると私は思う。

あんこというのは、日本独特の甘いものの決め手と言えよう。もっとも、日本独自なのかというと、私には判らない。世界中のスイーツ を私は知っているわけではないし、探せば西洋の食べ物の中にも、餡を使っているものもあるのかもしれない。でも、私の知る限り 餡を使ったスイーツは日本独特のスイーツなのである。西洋なら、チョコレートやクリームを使うでしょ。

そんな日本独特の甘さの決め手、餡を使った和風スイーツ「あんドーナツ」なんだけど・・・。でも、外側の生地は、ドーナツ。揚げている 西洋風のドーナツである。ここだけみると、和風でもなんでもない。ドーナツが、いつ、どんな形で日本に入ってきたのかは私は知らないけれど、 ドーナツという揚げるという手法は日本独自のものではないような気がする。

そういう意味では、あんドーナツというのは和洋折衷なスイーツと言っていいかもしれない。和風の甘さの決め手である餡と、 揚げた生地のハーモニー。こってり甘い中の餡と、油で揚げた生地が、食べた時のボリューム感を生み出す。

だからカロリーは高そう・・・と誰もが思うであろう餡ドーナツだけれど、それゆえに、疲れた時とか、がっつり甘いものを食べたい時に このあんドーナツを食べると、本当に充実した気持ちになる。満たされた気分になるのに、あんドーナツはピッタリである。


あんドーナツを諦める・・・

その日の夜も、私はあんドーナツをどうしても食べたくなった。その日は仕事がお休みだったのだけれど、前の日にすっかり疲れてしまって、 そのストレスもあって、私はあんドーナツを買いにスーパーへ行こうとした。最近仕事が忙しくて、ストレスが溜まっていたのもあって、 ここはひとつあんドーナツでも食べてストレス解消しよう、という気持ちもあった。

外へ出ると、非常に寒かった。部屋の中にいた時には気づかなかったのだけれど、雪が降って少し積もっていた。しかも、それが寒さで 凍って、あるくとバリバリと大きな音を立てた。昼間ならまだしも、夜中にこんなバリバリと音を立てると非常に響く。近所から苦情が 繰るのではないかと不安になってしまったが、それでも私のあんドーナツへの思いを萎えされるものではなく、私は車に向かった。

車の上にも少し雪が積もっていた。そして、その雪が凍って窓ガラスから取れず、しかもドアを開けようとしたら凍っていて開ける ことができない。これは参ったな、と思いながら、私は手袋をはめた手で窓ガラスの雪をかきおとそうとした。しかし、凍った雪は、 ある程度までは落とすことができるが、ガラスの表面に凍りついた雪はとても手で落とすことができない、1度家に戻ってお湯を もって来ようかとも思ったが、お湯をかけて溶かすにしても、あまりに雪の量が多すぎる。

仕方なく、私はその夜にあんドーナツを買いにいくのを諦めた。凄く不満は残るのだが、とても車を動かせる状況ではない。 あんドーナツは明日の昼間にでも買いに行こう。天気予報では、明日の昼間は、それなりに気温が上がるらしい。

あんドーナツは、それまでおあずけだ。美味しいものは待てば待っただけ、さらに美味しく感じることだろう。 あんドーナツも今食べるよりももっと美味しく感じるはずだ。



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